2011年10月4日(火) 環境・建設委員会  都立動物園マスタープランに対する質問
山下委員 それでは私からは都立動物園マスタープランについて伺います。
先日の都議会本会議の一般質問で、複数の議員から、都立動物園マスタープランについての質問があり、村尾・都技監からの詳しく、かつわかりやすい答弁を伺うことができました。
そこで、きょうは、まず改めて、このマスタープラン策定の目的について伺います。

滝澤達 建設局公園管理担当部長 マスタープラン策定目的でございますが、都は、都立動物園4園全体の入場者数が長期的に減少傾向にあること、世界の野生動物の生息環境が脅かされており、保全への取り組みを強化していく必要があること、都立動物園の管理に指定管理者制度を導入したことなど、都立動物園を取り巻く状況の変化に適切に対応し、より一層都民の期待にこたえていくため、今後の都立動物園が目指す姿と取り組みの方向を示す、都立動物園マスタープランを策定いたしました

山下委員 ただいまのご答弁の中で、野生動物の保全のための取り組み強化、というお話がありました。その必要性は言われて久しい問題だと思います。実際には、絶滅の危機に瀕している野生動物の種類というのは、どのように推移しているのか伺います。

滝澤部長 絶滅の恐れがある種の現状や原因をまとめた国際自然保護連合のレッドリストによれば、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類及び魚類を合わせた絶滅危惧種の数は、レッドリストの分類基準が改訂された後の1996年と直近の2011年を比較しますと、この15年間で、3,314種から6,959種と約2倍に増加しております。

山下委員 わかりました。私たちの地元・東京ということで言いますと、やはり小笠原です。先ごろ、世界自然遺産に登録された小笠原に生息している希少な野生動物の保全に、都立動物園が今後、どのように関わっていくのか、伺います。

滝澤部長 都立動物園では、小笠原諸島の固有種でありますアカガシラカラスバトについて、平成13年から恩賜上野動物園で、平成19年からは多摩動物公園でも飼育繁殖を行い、現在25羽がそろっております。
また、チョウの一種でありますオガサワラシジミについて、平成17年から多摩動物公園で飼育繁殖に努め、羽化に成功したものの、継続的な繁殖にはまだ至っておりません。
今後、都は、国や小笠原村、地元NPOなどと連携し、都立動物園の飼育繁殖技術を生かしまして、生息地の調査なども行いながら、その状況に応じて、野生復帰に向けた現地の環境づくりや動物園での飼育繁殖に取り組んでまいります。

山下委員 私は以前、放送局でアナウンサーの仕事をしておりましたとき、番組の話題探しをする毎日でございました。そんな中、話題探しのコツとして、「困ったときは動物園」という言葉がございました。話題が見つからなくて困ったとき、動物園に電話一本かければ、赤ちゃん動物誕生や鳥の羽や動物の毛が、季節に応じて夏毛から冬毛に生え換わるといった、心和む情報、ユーモラスな話題などを聞くことができました。
地震、水害、それに景気・経済の状況など、さまざまな困難のあるこの世の中において、人々の心に明るさを届けてくれることも、動物園の果たす役割の一つと言えるかもしれません。
今後、マスタープランを実現していくことにより、都立動物園が進化して、益々発展することに期待をして、私の質問を終わらせていただきます。

後日、この委員会でのやり取りが新聞「都政新報」に記事となって掲載されました。