2009年11月17日 環境・建設委員会 事務事業質疑「建設局」に対して

・質問の柱

1.街路樹について

2.都市公園について

3.動物園について

山下 それでは、私からは、きょうまず東京と緑という観点から、街路樹につきまして質問させていただきます。 道路の緑は、人の心に潤いや安らぎを与えると同時に、美しい都市景観の創出や環境の改善などのために重要な役割を果たしていると言えるでしょう。 東京都が平成十八年に策定した長期プログラム「10年後の東京」では、「水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京を復活させる」ことを目的として、当時四十八万本だった都内の街路樹を十年後に百万本へと倍増し、都市公園等、緑の拠点を街路樹でつなぐ「グリーンロード・ネットワーク」の形成、充実を進める、としています。 非常にきれいな言葉が並んでいますが、果たして具体的にはどのように取り組んでいるのでしょうか。まず、街路樹倍増の植栽の方法をお聞かせください。

小口公園緑地部長 街路樹倍増の取り組みにつきましては、道路の新設、拡幅にあたりまして、街路樹を一層充実させることはもとより、既存道路では季節感あふれる中低木の植栽を精力的に進めております。具体的には高木、中木、低木など、高さの異なる樹木を適宜組み合わせた植栽により、安全で快適な交通の確保とともに、沿道の土地利用や住民の生活と調和した植栽を工夫しながら、着実に街路樹を増やしております。

山下 確かに以前は整然とした並木道が多く見られ、それはそれで美しい景観を成していましたが、植物学的な視点から言いますと、一種類の木ばかりですと、同じ病気が蔓延したり、害虫に一気に食い荒らされることがあるなど、問題も生じがちです。 その点、いくつかの植物を組み合わせれば、こういった病害虫の被害をある程度防ぐこともできますし、鳥や虫などがバランスよく訪れ、新しい生態系を作り出すことも考えられます。 もちろん、言うまでもないこととは思いますが、様々な樹木を植えることは、花が咲き、実がなり、葉が色付くなど、季節感も色彩も楽しめますので、ぜひ今後も樹木の複合的な植栽を積極的に進めていただきたいと思います。 そこで、次に伺うのは、街路樹として採用する樹木の種類の選び方です。何か条件や基準があれば、お聞かせください。

小口公園緑地部長 街路樹は、沿道の生活環境の保全や都市環境の改善、交通の安全確保、景観の向上および緑陰の確保などを目的として整備しております。樹種につきましては、日照などの自然環境条件、道路の幅員構成および構造、沿道の土地利用状況などを勘案するとともに、地域住民の意見を聞きながら選定しております。

山下 樹木の選び方についての方針がわかりました。
 ここでもう一つ、街路樹の重要な役割、環境保全に言及させていただきます。環境保全という観点から、街路樹の果たす役割をどのようにとらえていますでしょうか。

小口公園緑地部長 環境保全という観点からの街路樹の果たす役割でございますけれども、大気汚染物質の吸収ですとか、粉塵の吸着など、沿道の生活環境の保全の効果、またヒートアイランド現象の緩和ですとか、CO2削減に寄与するなど、都市環境の改善の効果があると考えております。

山下 まとめていただきましたが、中でも大気の浄化は、環境の世紀の今、非常に重要な要素と考えます。 植物は二酸化炭素を吸収して酸素を吐き出すだけでなく、皆様ご存知のように、二酸化窒素や二酸化硫黄などの有害物質も吸収します。そして今、これら二酸化炭素や二酸化窒素、二酸化硫黄などを吸収する能力や、水を撒いたときに気温が下がる、いわゆる打ち水効果などを植物の種類ごとに測定する実験も数多く行われています。さらに有害物質をより多く吸収するよう品種改良された植物も、出回るようになりました。都はぜひ、これらの最新データを活用して、空気の浄化や夏の打ち水効果などの能力がすぐれた植物を街路樹などの植栽に取り入れていただきたいと思います。 そして、さらにもう一つ、植物の選び方として、私は都内で生産されている樹木の利用促進にも触れさせていただきます。 平成十八年度の東京都環境物品等調達基本方針には、東京産の樹木の利用促進が示されています。地場産業の振興、そして東京の農林業を守り、緑を保全する意味からも、ぜひ東京産の樹木をより多く街路樹に取り入れていただくよう、要望いたします。 さて、この質問の冒頭、街路樹倍増・百万本とグリーンロード・ネットワークという言葉をお伝えしましたが、このグリーンロード・ネットワークの拠点は主に都市公園です。そこで続いては都立の都市公園について伺います。 公園には樹木があり、都市環境を改善する効果があります。さらに、多くの人の憩いとレクリエーションの場であるとともに、災害から都市を守る働きもあるなど、公園は様々な役割を果たしています。こうしたことから、公園はすべての利用者に安全で快適な場所として提供されなければならず、中でも公園施設の安全対策と防犯対策は重要ですし、とりわけ高齢の方とお子さんへの配慮が必要です。高齢の方や障害を持つ方へのバリアフリー対策、お子さんへの安全対策、さらに誰もが安心して利用できるようにするための防犯対策について、現在の取り組みをお聞かせください。

小口公園緑地部長 公園を快適に利用していただくために、公園施設が安全に利用でき、防犯面でも心配がない公園づくりに取り組む必要がございます。まず、バリアフリー対策としましては、高齢者などが移動や施設の利用において、身体の負担を軽減でき、施設を使いやすくするために、園路の段差解消や洋式トイレへの改修などを実施しております。 遊具の安全確保につきましては、子どもにとって、安全で楽しい遊び場を確保できるよう、職員による日々巡回や月1回の定期点検、専門業者による年2回の精密点検を実施し、部品の摩耗や変形、ぐらつき等、異常を早期に発見して対処しております。また、子どもが安心して遊べるための防犯対策としては、樹木剪定により、死角解消をおこない、公園内の見通しを確保し、監視の目が行き届くようにしております。こうした取り組みのほか、職員や警備員による園内巡回を日々おこない、人々が安心して利用できる公園づくりに努めております。

山下 ところで、さきほどの街路樹に関する質問の際も、樹木には防風、防塵、緑陰による気温の調節、大気の浄化などの働きがあり、樹木が環境改善のために大きな役割を果たしている旨、お答えいただきましたが、その一方で、公園の大きな樹木は、陰の部分、つまり人の目が届かない死角を作ることも指摘されています。この死角を解消するための方法として、花を植えることが有効である、という専門家の調査の結果を目にしたことがございます。きれいな花が咲いていますと、人は自ずとそこに視線を移します。その結果、死角を無くし、犯罪を防ぐ効果が現れる、というものです。実際に、敷地や建物の隅に花を植えたり、鉢植えを置いたりして、侵入盗、つまり空き巣や痴漢を防ごうとしている団地もあるようです。公園の場合、大きな木の近くに花壇を作れば、人の目線が下の方に集まり、木の下で遊ぶ子供やくつろぐ人々の安全につながると考えます。日比谷公園などに花壇があるのは承知しておりますが、都立公園全体として、花壇への取り組みと管理は、どのようになっているのでしょうか。お答えください。

小口公園緑地部長 公園の花壇は、公園利用者が草花を観賞し、花に親しむ植栽空間であります。都立公園の花壇には、今お話のありましたような日比谷公園にあるように、都心の景観と調和のとれた幾何学模様の花壇があるほか、葛西臨海公園のような広大な広場に設置した大規模な花壇、それから蘆花恒春園のようなボランティアによる手づくり感があふれる花壇など、それぞれの都立公園の特性に合わせた花壇が設置されております。その管理につきましては、季節に合わせた植え替えをおこなうとともに、企業やボランティアの方々に花壇づくりに参加していただき、都民協働を推進することで、訪れた利用者の方々に楽しんでいただいております。

山下 都立公園として、花壇に積極的に取り組んでいることを評価させていただきます。都民参加という管理の方法も、コミュニティ作りの観点から、望ましいことと言えるでしょう。大きな樹木があり、さらに美しい花も咲く緑豊かな都市公園は、ストレス社会と言われる現在、心が安らぐ癒しの空間、都会人の心のオアシスになっていることと思います。 植物には、さきほどから何度か触れている防風、防塵、緑陰による気温の調節、大気の浄化といった物理的効果と、安らぎ、癒し、と言う精神的効果があります。二十一世紀は心の時代、と言われます。現在のようなストレス社会では、都市公園がどの程度、癒しの空間になっているか、という精神的な効用についても、知っておく必要があるかと思います。 都立公園では、利用者へのアンケート調査などを通じて「園内の安全・安心感」や「静けさ・落ち着き感」なども尋ねていると聞いております。どのような回答の傾向が出ているのでしょうか。ご紹介ください。

小口公園緑地部長 都立公園では、利用者サービスのさらなる向上を目指しまして、毎年、公園別に利用者満足度調査を実施しております。基本的な調査項目は、樹木や草花の管理状況やトイレ、休憩所などの施設の清潔さなど10項目であり、満足・やや満足・普通・やや不満・不満の5段階で、利用者に回答をいただいております。お話しの園内の安全・安心感、および静けさ・落ち着き感の2項目については、ほとんどの公園で、やや満足から満足の間の評価を得ております。

山下 アンケートの結果を伺いますと、樹木や花壇のある公園は、地球温暖化対策・カーボンマイナスといった物理的効果とともに、安らぎ、という精神的効果もすぐれた都市空間と言えそうです。今後も、安全に配慮しながら、誰もが快適に安心して利用することができるよう、都市公園の整備に努めていただくことを望みます。
 続いて、動物園について伺います。
 私自身、子供の頃は、毎週のように多摩動物公園に足を運び、また高校時代には上野動物園の「夜の動物園」にも参加し、普段は見られない夜行性の動物の夜の生態を観察するなど、動物園を通して、数多くのことを学ぶとともに、生物学の醍醐味を知ることができました。
 建設局の事業概要によりますと、動物園には、レクリエーション、教育の場、研究の場、種の保存、という四つの機能があるとされています。動物園は、大人も子供も楽しめる憩いの場、感動の場であると同時に、地球の生態系を学び、直面する問題について考えることのできる環境教育の場であり、さらに動物を通して優しい心を育てる情操教育の場でもある、と言えるでしょう。 こうしたことから、特に子供たちの教育の場として活用することを望みます。野生の貴重な動物を観察できる動物園が身近にあるのは、都民にとって幸せなことです。動物の生態や種の保存など、研究の一端に触れることで、興味が広がり、将来、研究者になろうとする子供が現れるかもしれませんし、いじめが問題視される昨今、心優しい子供を育てることにも、きっとつながるはずです。そこで、動物園の教育普及活動への取り組みはどのようになっているのか、お聞かせください。

三浦公園管理担当部長 動物園の役割は、さきほどお話にありました通り、4つございます。第一に来園者が動物を身近に感じ、楽しい時間を過ごしていただくレクリエション機能、第二に動物に関する正しい知識を普及する教育普及機能、第三に稀少動物の保護、増殖を中心とする種の保存機能、第四に動物の生態などに関する調査、研究機能でございます。このうち、お話しの教育普及活動につきましては、来園者向けに飼育係員が動物の生態や行動などについて解説をするキーパーズトークや動物解説員が動物たちの暮らしや自然の仕組みなどを紹介するガイドツアーを実施しております。また、体験型プログラムとしては、小学生等を対象に、飼育係員と一緒に動物の観察や飼育を体験するサマースクールや動物園の外で野生生物の採取や観察をする野外観察会を実施しております。さらに学校教育との連携や十版物の発行、インターネットで動物の生態や動画を配信するなど、さまざまな教育活動をおこなっております。

山下 体験型プログラムなど、教育活動のために、様々な工夫をしていることがわかりました。 今のお答えの中には、「学校教育との連携」という言葉もありましたが、具体的な取り組みについてお話しください。

三浦公園管理担当部長 学校教育との連携の取り組みにつきましては、まず学校の先生、教員の方々に対しましては、身近な生き物の観察方法や飼育管理について指導する講座を開催しており、遠足や修学旅行等の引率の先生に対しましては、動物の生態や飼育方法などについて、事前にご指導させていただいております。また、遠足や修学旅行等で訪れた児童、生徒に対しましては、動物解説員がガイドをおこなうなど、きめこまやかな対応をしております。さらに環境教育用教材の貸し出し等をおこなうとともに、小中高校生向けの出張事業をおこなうなど、学校教育との連携を図っております。

山下 わかりました。これからも、より多くの子供たちが動物園を訪れるよう、引き続き教育機関との連携を強めていただくことを要望いたします。
 さて、きょうは街路樹や公園を中心にお話をうかがいましたが、環境の世紀と言われる二十一世紀、建設局の果たす役割は非常に大きい、と言い切ることができるでしょう。世界に冠たる環境都市・東京の確立のために、今後とも事業の一層の推進をお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。