2011年3月2日(水) 環境・建設委員会  環境局に対する質問
山下委員 それでは私は自然エネルギーについて伺います。
 23年度予算書概要の中に、自然エネルギーを活用した自然公園施設整備という事業があります。まず、これについて説明をお願いします。

長谷川 均 自然環境部長 自然エネルギーを活用した自然公園整備事業は、ビジターセンターなど、自然公園施設に自然エネルギーの導入を図ることによりまして、都民への普及啓発を進める事業でございます。
 これまで八丈植物公園に風力発電施設を、奥多摩湖畔にございます山のふるさと村に太陽光および風力発電施設を設置いたしました。23年度は、山のふるさと村に小型水力発電施設を整備する予定でございます。


山下委員 来年度、23年度に奥多摩湖畔にある山のふるさと村で小型水力発電施設の整備をおこなうとのご答弁をいただきました。このところ自然エネルギーとして、太陽光、太陽熱、風力、地熱などが話題に上ることが多くなり、私自身、これらを利用した施設を視察する機会も得ておりますが、今回、東京都が水力に注目したことに、私は非常に新鮮さを感じますし、自然エネルギー利用の原点に返ったような気がいたします。水と森林に恵まれた奥多摩町の山のふるさと村で、水力を活用する理由を伺います。

長谷川部長 山のふるさと村には、多くの方々に奥多摩の豊かな自然を紹介し、関心を深めてもらう役割がございます。この自然への理解を進める一環といたしまして、20年度に太陽光および風力発電施設を設置いたしました。23年度は、この太陽光発電、風力発電に加えて、奥多摩湖に流れ込む沢の水力を利用いたしました発電施設を整備することで、多様な自然エネルギーについて学習できる場として活用してまいります。

山下委員 今のお話を伺い、水と緑が豊かな奥多摩にふさわしい取り組みであるということがよくわかりますが、それだけでなく、こうした豊かな水と急な勾配によって得られたエネルギーを活用しているということを訪れた人にわかりやすく伝えることも重要と考えます。その取り組みについて伺います。

長谷川部長 自然エネルギーの利用につきまして、多くの方々に理解していただくためには、まず太陽光、風力、水力による発電施設の案内表示を工夫することが必要でございます。
 次に、年間10万人以上の家族連れなどが訪れるビジターセンターの入り口付近に、太陽光、風力と並んで、水力発電の仕組みや発電量をわかりやすく説明するパネルを設置し、理解を深めてもらうようにいたします。
 今後とも、訪れる方々に自然エネルギー利用の大切さを広く伝えてまいります。

山下委員 山のふるさと村は、開設からちょうど20年を迎えたと記憶しております。山のふるさと村では、これまでも、先ほどのご答弁の中にあった太陽光や風力発電、それからひろい意味での自然エネルギーとも言える森林の間伐材から作った木材ペレットを使ったストーブの導入にも取り組んでいると聞いております。
 そして今回、新たに水力発電を組み入れるということをただいま伺いました。施設全体で使う電気量に比べれば発電量は小さいかもしれませんが、東京都の施設が率先して自然エネルギー利用に努めている姿勢を都民に示すことは、大きな意義があると考えます。
 山のふるさと村に限らず、自然公園施設は、いずれも大自然の懐に抱かれて、自然環境のすばらしさや、その保全の重要性を実感することのできる場所と言えます。その意味では、自然の恵みを生かしたエネルギーの利用の普及啓発の場として最適と考えます。
 これからも、各地の自然公園施設が都民の憩いの場として、また環境教育の場として、そしてさらに自然エネルギーの普及啓発の場として、一層充実するよう要望いたしまして、私の質問を終わります。