「東京都省エネルギーの推進及びエネルギーの安定的な供給の確保に関する条例(案)」提案理由説明(説明者・山下ようこ)
それでは、議員提出議案第4号「東京都省エネルギーの推進及びエネルギーの安定的な供給の確保に関する条例案」について、提案理由を説明致します。
東日本大震災の影響で、今年の夏場の電力不足は500万キロワットとも1000万キロワットとも言われており、早急に節電対策を進めていく必要があります。特に、先般実施されて様々な問題点が明らかになった計画停電と、それに加え、電力消費量が供給量を上回った場合の突発的な大規模停電は、あらゆる手段を講じて回避しなければなりません。
こうしたことから、首都機能の維持及び発展のために欠かすことのできない電気を始めとするエネルギーの重要性を踏まえ、省エネルギーの推進及びエネルギーの安定的な供給の確保のため、災害に強く環境負荷の少ない省エネルギー型の都市づくりを推進する必要があります。
東京都は5月27日に「東京都電力対策緊急プログラム」を公表しましたが、こうした省エネ型の都市づくりへの取り組みには、東京都をはじめとする行政機関の決定だけではなく、家庭、学校、会社、それぞれにおける議論と行動が不可欠であり、都民の代弁者である都議会において広く議論され、議会から都民へと強く働きかけがなされるべきと考えます。
このため、本条例案は、東京都、ならびに都民、事業者の責務を明らかにするとともに、基本理念その他必要な事項を定める内容とし、家庭、学校、会社、社会全般で省エネへの意識の向上を図ることを目的としたものです。
未曾有の災害にあたり、今、都民が求めているのは政局でも、政争でもなく、震災以来都民を覆っている不安の払しょくです。党派を超え、都民が求める議会のリーダーシップを今こそ発揮すべきではないでしょうか。
都民が消費する電力確保のために建設された福島原発周辺の被災者の皆様に思いを寄せながら、今こそ省エネに向けた確固たる理念を都議会から発信したいと考えます。
以上、提案の趣旨を申し述べさせて頂きました。本委員会において十分ご審議の上、議員の皆様のご賛同をたまわりますよう、お願い申し上げます。
⇒本条例案は翌29日の環境・建設委員会で賛成多数で可決。そして7月1日の本会議で起立採決により賛成多数で可決、成立しました。
東京都議会での議員立法は21年ぶりの快挙です。